2017/05/28

獣医学部新設に関する国家戦略特区諮問会議での発言

「第30回 国家戦略特別区域諮問会議」(2017年5月22日)における、獣医学部新設に関する私の発言を掲載します。この発言は、今回の諮問会議の議事要旨に掲載されているものです(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/dai30/gijiyoushi.pdf)。
○八田議員 次に、特区における獣医学部新設の審議の経緯について、個人的な考えを申し述べさせていただきたいと思います。本件は52年間にわたって学部新設を認めてこなかった岩盤規制に取り組んだものでございます。 
 獣医学部の新設が認められなかったことが、なぜ岩盤規制なのでしょうか。新設の薬局は既存の薬局から100メートル以上離して立地すべしという薬事法における距離制限は違憲であるという最高裁の判決が1975年にありました。薬局の新設は需給関係を崩し、既存の薬局に不利益になります。したがって、既存の薬局が新設を嫌がることは当然であります。しかし、憲法が保障する営業の自由に鑑みると、新設が需給関係を崩すことは薬局の新設を制限する理由にはならないということをこの違憲判決は示しております。
 同様に、獣医学部の新設が需給関係を崩し、既存の大学や獣医に不利益をもたらすことは、学部の新設を制限する理由にはなりません。教育及び研究の質を担保するものであれば、大学や学部の新設は認められるべきものです。しかし、日本では、獣医学部、医学部、薬学部の新設は、需給調整を目的とした文科省の告示で、認められていません。これら3学部に限っては、大学設置審議会で教育や研究の質を審査することすら認めていないのです。営業の自由を保障するする観点、および競争によって利用者の利益を最大化するという観点からは、この文科省告示は明らかに撤廃すべき岩盤規制であります。 
 今回の獣医学部の新設は、せめて特区ではこの告示に例外を作ろうという試みです。しかし獣医学部の新設に当たっては、既得権益側が激しく抵抗し、新設するとしても2つ以上は認められないと主張するので、突破口として、まずは一地域に限定せざるを得ませんでした。そうである以上、地域的に獣医学部の必要性が極めて高く、しかも福田内閣以来、永年要求し続けた地域に新設を認めたのは当然であります。この選択が不透明だなどという指摘は全く的外れであります。むしろこれまでこの岩盤規制が維持されてきた政治的背景こそ、メディアは、究明すべきです。 
 しかし、突破口を作ったことには、大きな意義があります。今後、続けて第二、第三の獣医学部が認められるべきです。
 最後に、明治4年に前島密が国際標準の郵政事業を開設しようとしたときに、飛脚業界が猛反対いたしました。前島は、大変な苦労を強いられました。長い目で見て必要な岩盤規制改革には、摩擦はつきものです。既得権者は必死に抵抗します。今起きていることもそういうことだと思います。しかし、こうしたことで改革のスピードが鈍ることがないよう、国家戦略特区における更なる改革を果敢に断行していきたいと考えます。そのために官邸のサポートを引き続きをお願いしたいと思います。

獣医学部の新設に関しては、次のブログもご参照ください。

駒崎弘樹氏「加計学園問題は、本当に問題なのだろうか」(5月20日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/komazakihiroki/20170520-00071136/

高橋洋一氏「加計学園問題の本質は何か 〜このままでは政府の勝ちで終わるだろう」(5月22日)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51813

岸博幸氏「加計学園の報道されぬ真実、黒幕は総理・官邸・内閣府ではない!」(5月26日)
http://diamond.jp/articles/-/129482